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【レポ】北原みのり「FiLiA国際大会報告」(2025.11.01 学習会)

  • 買春社会を考える会
  • 2025年11月8日
  • 読了時間: 6分

2025年11月1日買春社会を考える会学習会では、FiLiA国際大会に参加された北原みのりさんが大会の様子をリポート下さいました。

お話し下さった内容をまとめました。

 

FiLiA 2025国際大会 参加レポート

女性の身体をめぐる分断と連帯の現場から

 

開催概要

FiLiA国際会議は、2025年10月10日から12日までの3日間、イギリス・ブライトンにて開催されました。

FiLiAは、世界最大の草の根フェミニスト会議であり、55カ国から2,500人以上の女性が集い、250人のスピーカー、100のワークショップ、討論会が行われました。

 

FiLiAの理念は、「男性支配のない世界で、すべての少女と女性が解放されること」を目指し、シスターフッドと女性の連帯を地域的・国際的に広めることにあります。FiLiAを最初に立ち上げたのは、2人の女性でした。

 

FiLiA国際大会では、毎年、女性たちがポルノグラフィ(性虐待表現物)、代理出産、性産業への反対について意見を表明しています。そしてジェンダークリティカルであり、ラディカルフェミニストの立場で、長年分断されてきた「女性の身体をめぐる問題」を、多様な立場の女性たちと語りあってきました。大会としては、すでに10年以上回を重ねて開催されていること、北原さんは、今回、その会場の熱気を伝えて下さいました。


この数年間、特に日本では、性産業批判やラディカル・フェミニズム的な視点が「セックスワーカー差別」「トランスヘイト」といったレッテルにより言論から排除され、議論が萎縮する状況が続いています。北原さんは、海外の女性たちがどのような思いで「出会い、語り合う」場を築いているのかを肌で感じ、その熱量を共有されたそうです。

 

会場の様子と初期の課題

 会場では、約80のブースが並び、草の根フェミニストたちが活動報告や手作りのアート販売を行うなど、90年代のフェミニズム集会を彷彿とさせる熱気と連帯感に満ちていました。

 

大会の初日には、会場の外で、アンチの活動家による抗議活動(ガラス破損やピンク色の塗料を吹きかける行為など)が行われました。大会参加者たちはアンチの挑発に乗ることなく、毅然とした態度で会議に参加し続けました。抗議活動は3日間続きましたが、女性たちのシスターフッドと私たち側の圧倒的「数の力」によって、アンチのカウンターに萎縮することなく会議が進行しました。

 

会議のハイライトの一つは、イギリスにおける「女性の定義」をめぐる法廷闘争(スコットランドでの性別認定証・GRCに関する最高裁判決)に関するセッションでした。


 

スコットランド最高裁勝利の意義

登壇者(For Women Scotlandを率いた活動家や弁護士)は、この裁判が「女性の定義」を生物学的性別に基づくものと再確認させた画期的な勝利であったと強調しました。

 

「女性の定義」の明確化: 長い間、医療や刑務所、組織内において「セルフID(自己申告による性自認)」が法律であるかのように扱われてきましたが、この判決は、それが一度も正式な法律ではなかったことを立証しました。

 

 

勝利への感想   

会場は、これまでの20年間、アンチによって「極右」「ファシスト」と罵られ、言論を奪われてきた女性たちの怒りと喜びで満ち溢れ、何度もスタンディングオベーションが起きました。

 

レズビアンの不可視化と抵抗

特にレズビアン(LGB Allianceなどの活動家)の声は、この戦いにおいて極めて重要でした。 レズビアンは「女性の身体を愛する女性」であるため、「女性の定義」がないことは、レズビアンの存在そのものを定義できないことを意味します。

 

レズビアン・ヘイト

トランスイデオロギーが普及したことで、レズビアンのスペースに生物学的男性が入り込み、若いレズビアン女性が「親切でいるべき」「男性を立てるべき」という圧力のもと、望まない性的な行為まで求められる状況があることが報告されました。

 

ジェンダークリティカル思想の尊重

裁判は、ジェンダークリティカル(生物学的性別を重視する)思想が民主社会において尊敬に値する、ということを立証した点で、大きな意味を持ちます。

 

「愚かなリベラルと腰抜けが正当性を与えた」

 ジャーナリストのジュリー・ベンデル氏は、男性が「自分は女だ」と言い張ることは新しくないが、「愚かなリベラルと腰抜けがこれに正当性を与えたこと」が、現代の危機であると強く批判しました。

 


性搾取産業について

代理出産とポルノグラフィー

代理出産は、進歩ではなく抑圧の形態である。

 代理出産経験者(サロゲート・サバイバー)たちのセッションは、会場から最もすすり泣きが聞こえた、感情的に重いものでした。


 

善意の利用

代理出産は「子どもを持てないカップルへの善意」として語られがちですが、実際は、若い女性の身体が富裕層(特に単身男性やゲイカップル)に商業的に利用される構造であることが暴露されました。

 

サバイバーの苦悩

契約を破ると「愚かな女」として扱われ、法廷で孤立無援の戦いを強いられる実態。遺伝的な繋がりがなくても、出産した女性と子どもの間に生じた情愛の繋がりは無視され、女性の存在が法的に抹消されてしまう痛みが語られました。

 

中国の例

富裕層がアメリカで代理出産を購入し、米国籍を持った子どもを「プロダクト」のように輸入する事例など、女性の身体がグローバルな生殖産業の道具となっている現実が報告されました。

代理出産を「進歩」と呼ぶべきではない。これは女性の尊厳を取り戻すための戦いであり、「古い抑圧の形態」であると結論づけられました。

 

ポルノと暴力について

 ポルノは快楽の性の表現ではなく、女性支配の教化であり、女性や子どもへの暴力であるという現実を伝えつづけることが大切であるということ、インドの事例で、7歳のレイプ被害者が殺害された後、検索ランキング1位が彼女の名前とポルノサイトであったことから、女性へのヘイトクライムと深く結びついていることが示されました。

 

ポルノに関する法的闘争

フランスでは、ポルノを合法的なグレーゾーンとせず、「強姦罪、性的暴行罪、人身取引罪」として裁くための法廷闘争が始まっていることが報告されました。

子ども期に親からポルノを観ることを強要され、自ら性を売ることになったサバイバーの報告もありました。

 

日本への示唆

日本はポルノ生産大国であり、その暴力性が世界中の女性に性暴力として影響を与えているため、日本からもこの問題について発言していく必要性が強く示唆されました。


ポルノグラフィーは、男による女性支配のためのプロパガンダ、ファシズムであるというFiLiA国際大会でのポルノグラフィに関するシンポジウムについて、買春社会を考える会の次回の学習会でも講師を快諾いただいております。


 

所感と今後の活動

今回のFiLiA参加を通じ、専門家、サバイバー、支援者の声が一堂に会して、考えかたを共有することで、問題の立体的な理解が得られ、大きな収穫となりました。


国内のフェミニズムの場で「萎縮と分断」が起きている状況を乗り越えるため、帰国後、女性たちがシスターフッドを信じ、萎縮せずに議論できる学びの場を構築していく必要があります。

 

北原みのりさんの今後の活動

フェミニズムを真正面から学び直し、シスターフッドを再構築し、女性の連帯を取り戻すため、有志の仲間と共に立ち上げました。

フラワーデモ東京は、北原みのりさんの尽力で、女性性被害者のための安全が確保されています。

フェミニストであるがゆえに踏み絵を踏まされきたことへの怒り、

「怯える」ということがこんなにも人を支配するんだということに気づいたことなどから、

フェミニズムを学び直すための読書会や学習会を開いておられます。

北原みのりさんによる次回の学習会もご期待下さい。




 
 
 

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