
【ご報告】高市内閣へ、買春者処罰に向けた要望書を提出いたしました
- 買春社会を考える会
- 11月24日
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更新日:11月25日
われわれにとって大変大きなニュースです。去る11月11日、高市早苗首相が衆院予算委員会にて売春防止法の処罰対象を「買春」に広げる法改正について「必要な検討を行うことを、法相に指示いたします」と答弁しました。
法改正に向けて大きな一歩となりうる動きです。
この答弁を受けまして当会で以下のように要望書を作成し、高市首相、平口法務大臣、黄川田内閣特命大臣担当大臣に提出致しました。
高市早苗 内閣総理大臣 様
平口洋 法務大臣 様
黄川田 仁志 内閣特命担当大臣 様
買春社会を考える会
要請文
買春者処罰規定の早急導入と脱性売買支援の充実、
「売る人」処罰規定の廃止を求めます
時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
先日、衆議院予算委員会において、高市首相が売春防止法の「買春」への処罰対象拡大に向け、「必要な検討を行うことを、法相に指示いたします」とご答弁されたことに対し、強く賛意を表します。この歴史的な一歩は、長年にわたり不公正であると指摘されてきた現行法の改正に向けた、極めて重要な意思表明であると評価いたします。 社会問題化している路上売春をはじめとする性売買の問題を真に解決し、女性の人権を擁護するためには、この検討を迅速に進め、以下の施策を早急に実現する必要があります。
1. 売春防止法における買春(性交類似行為を含む)の処罰、その勧誘処罰の早急な導入、 売春の需要側である買春者を処罰することで、「人の尊厳を深く傷つける行為」としての性売買を社会全体で認めず、根絶に向けた強いメッセージを発することが不可欠です。高市首相が指示された通り、法務省において検討を加速させ、買春為を処罰対象とする法改正を速やかに実現することが重要です。
2. 現在「売る人」にのみかけられている売る側の勧誘処罰の廃止が必要です。現行の売春防止法が売春を行う側のみを処罰対象とし、買春者を処罰対象外としている構造は、売買の構造的な不平等を助長するものであり、「現代性がない」との批判は正当です。 性売買を行う女性の多くが構造的な困難(貧困、DV被害、性被害、障害、社会的孤立など)を背景に、生きていくために、また、「生存戦略」としても、その行為を選択せざるを得ない状況にあることを鑑みれば、被害者性の強い「売る人」を罰することは、法の目的と正義に反します。 現行法が規定する、売春の誘引、客待ち等の「売る人」を罰する項目を廃止し、処罰対象を「買う人」に一本化することを強く要請いたします。
3. 性売買当事者女性のための脱性売買支援の抜本的拡充
性を売る女性の多くは、様々な困難を多重的に抱えており、自覚的にも、無自覚にも、惨状から抜け出すため、性を売らざるをえない状態に追いやられている側面が強くあります。買春者への処罰規定導入は抑止力となりますが、同時に、当事者女性が経済的・精神的に自立し、尊厳を回復するための包括的な支援策が急務です。
総合的な支援拠点の整備
居住支援、就労支援、心理的ケア、医療支援、経済的な自立支援をワンストップで提供する「脱性売買支援センター」を全国的に整備し、公的な支援予算を確保することを求めます。
トラウマケアの専門性強化
性暴力や虐待によるトラウマに特化した専門的なカウンセリングや治療を提供できる人材育成と体制の強化を行うことが必要です。トラウマを抱える人による性的自傷として性売買に自ら入ることとそのような脆弱な人を女衒が搾取し、人身売買している問題があります。
貧困対策との連動
性売買に頼らざるを得ない背景にある女性の貧困に対し、生活保護制度の柔軟な運用や、安定した仕事に就くまでの経済的支援を手厚く行うことが必要です。 これらの要請事項は、国連の「女性に対する暴力の撤廃に関する宣言」や、「第6次男女共同参画基本計画」の基本的な考え方にも合致するものです。
高市首相、平口洋法務大臣におかれましては、この国会答弁を契機とし、女性の尊厳と人権を守り、性売買のない社会の実現に向けて、上記施策を強力に推進されますよう、重ねてお願い申し上げます。
以上



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